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初めての国会図書館 [本関連]

 どうしても本屋や図書館では見れないけど、きちんと読みたい資料があったので初めて国会図書館に行ってきました。 
 昔はここに入るようじゃ人生ある意味終わったと思っていたのですが。 

 しかし、行ってみて感じたこととして書籍貸出コーナーと雑誌貸出コーナーでは明らかに客層が違いますね。 
 雑誌コーナーには昔の電撃大王とかを大量に借りて読んでいる人とかが居るので、そっち方面のオーラが漂ってます。 
 あと食堂は評判通り美味しかったです。 

 ちなみに読みたかった資料は、Aonogahara捕虜兵の世界 『小野市史第三巻本編3』別冊。 
 この前、姫路の県立歴史博物館に行った時に発見してどうしても読みたかったので。 

 この本は第一次大戦時の青野ヶ原捕虜収容所についての本ですが、ドイツ帝国軍捕虜だけではなくオーストリア・ハンガリー二重帝国軍捕虜についても詳細に解説されています。 
 日本で捕虜生活をしていたオーストリア・ハンガリー二重帝国軍捕虜についての資料なんて初めて知りました。 
 あと滅亡直前のオーストリア・ハンガリー二重帝国軍の実態(というか情けなさ)についても詳しいです。 
 オーストリア・ハンガリー二重帝国滅亡時に、何故軍隊が自然消滅してしまったのか?という理由も、この本を読んで初めて判りました。 

 青野ヶ原捕虜収容所で3人のハンガリー人捕虜が喧嘩していて、ドイツ人捕虜が、 
「やめたまえ、同じハンガリー人じゃないか」 
と止めたら、ハンガリー人3人から 
「俺たちはハンガリー人でも3人とも民族が違うんだ」 
と返されたとかの脱力するエピソードも多数。 

 とりあえず、この資料についていつかちゃんと感想を書きたいと思ってます。 

デビュー1年で本を出した数のギネス記録 [本関連]

http://www.bonolat.jp/kiramekuseiza_tyosya.html 

 作家小林真一のプロフェールですが、2007年10月にデビューして2008年9月までに出した本の数が6冊だったので、 

 同年10月、ギネスワールドレコード社は、このデビュー後1年で6冊出版という記録を、「年間最多書籍の執筆作家」として認定した。
 

だそうです。 
 この程度でギネス認められるんですね。 
 これより多い人は絶対にいるはずなので該当の作家はギネス申請すべきだと思います。 

 例えば熊猫さんも書かれてましたが、谷川流はデビューから1年(2003年6月から2004年5月)で涼宮ハルヒ3冊、学校へ行こう!4冊の合計7冊出してますから、これだけでギネスに載れますね。 
 あと西尾維新はデビューから1年で出しているのは5冊ですが、2007年には刀語12冊と新本格魔法少女りすか1冊、JDCトリビュート1冊、世界シリーズ1冊の合計15冊出しているので、 十分にギネスの資格ありそうな感じが。


 また小説家ではなく思想家ですがデビューから1年で著書9冊、共著6冊を書いている人がいることを知りました。 
 まさしくギネス級では無いかと思われます。 

 その著者とは……独創的な論文でネットの一部に脱力を巻き起こした田母神俊雄センセイです!!!! 
 Wikipediaから著書一覧を見ると、去年12月に初めて本を出してからこれだけの本を出しています。

著書一覧 

『自らの身は顧みず』 ワック、2008年12月。ISBN 978-4-89831-128-8。 
『DVD 自らの身は顧みず 田母神俊雄講演』 ワック、2009年1月。ISBN 978-4-89831-306-0。 
『田母神塾 これが誇りある日本の教科書だ』 双葉社、2009年2月。ISBN 978-4-575-30110-6。 
『真・国防論』 宝島社、2009年5月。ISBN 978-4-7966-6974-0。 
『自衛隊風雲録』 飛鳥新社、2009年5月。ISBN 978-4-87031-919-6。 
『座して平和は守れず 田母神式リアル国防論』 幻冬舎、2009年5月。ISBN 978-4-344-01678-1。 
『田母神流ブレない生き方』 主婦と生活社、2009年8月。ISBN 978-4-391-13802-3。 
『サルでもわかる日本核武装論』 飛鳥新社〈家族で読めるFamily book series 006 たちまちわかる最新時事解説〉、2009年8月。ISBN 978-4-87031-936-3。 
『田母神式 戦力になる人材づくり』、日本文芸社、2009年11月 

共著・対談・編著 
『日本は「侵略国家」ではない!』 渡部昇一、海竜社、2008年12月。ISBN 978-4-7593-1054-2。 
『自衛隊はどこまで強いのか』 潮匡人、講談社〈講談社+α新書〉、2009年3月。ISBN 978-4-06-272567-5。 
『この身、死すとも「これだけは言いたい」』 長谷川慶太郎、李白社、2009年4月。ISBN 978-4-89451-908-4。 
『国防論』 勝谷誠彦・川村純彦(元海将)・松島悠佐(元陸将)、アスコム、2009年5月。ISBN 978-4-7762-0548-7。 
『国粋ニッポン闘議 高須基仁対談集』 高須基仁、春日出版、2009年6月。ISBN 978-4-86321-166-7。 
『田母神俊雄 全一巻 WiLL増刊号』 ワック、2009年8月。 



 ところで私は最初の論文で脱力して、後の本は読んでいないのですが正直どうなんですかね? 
 いえ全く出来には期待していないのですが。

ルポ資源大陸アフリカ [本関連]

ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄

ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄

  • 作者: 白戸 圭一
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2009/07/31
  • メディア: 単行本

 以前購入したのを読み終わったので感想をざっと。
 
 この本は2004年から2008年まで南アフリカのヨハネスブルクを根拠地にサハラ以南のアフリカ紛争地帯を色々と取材していた毎日新聞記者のルポです。
 著者の人は4年の駐在期間のうち、家で泊まったのは1年間ほどというくらいアフリカの紛争地帯を色々と取材してきてます。
 それも強盗とか人身販売商人や砂漠の反政府勢力とか、普通のルートではとても会えないような人へのインタビューとかを。
 駐留期間が2004年から2008年なので、多少情報が古い点もありますが、アフリカの無茶苦茶な現状を描いたルポとして出色の出来かと思います。
 幾つか思ったことをつらつらと。

第1章 格差が生み出す治安の崩壊
 この章で取り上げられているのは治安悪化が有名で「ヨハネスブルクのガイドライン」とかもある南アフリカ。
 著者とその家族が住んでいたところでもあります。
 ここでは強盗犯とかモザンビークから流れてきた犯罪者とか、南アフリカ周辺諸国から少女を騙して連れてきて強制売春させる人身売買商人とかにインタビューしてます。

・まず所得格差がヒドすぎ。普通の労働者(メイドとか)と大卒初任給の差が10倍くらい。

・低所得者が犯罪を犯すと真面目に働くよりはるかに多い収入を得ることが出来るので、真面目に働こうという人間が少なくなっている。
 例えば日本だとニュースで報じられる犯罪で得られる収入が極めて少ない割にリスクが大きすぎるので、真面目に働いた方がマシだという感覚が出てきますが。

・南アフリカの周辺各国の白紙パスポートが犯罪組織に出回っていて、犯罪に使われてます。
 終わってますね。

第二章 「油上の楼閣」から染み出す組織犯罪
 この章は国際的にもネット詐欺などの「犯罪輸出国家」として知られるナイジェリアについての章。
 
・ナイジェリアでは国勢調査をやるだけで、各民族で衝突が起こって死傷者が出るのですね。
 いかに中央政府の基盤が弱いかと、それに基づく既得権益が大きいかを示してます。
・産油国なのに地元民衆に公共インフラなどの整備がされていないのは清々しいくらい。
 油田の側にある村には電気が無く輸入した石油(ナイジェリアには石油の精製能力が少ないため)で自家発電施設を動かさなくてはならないほど。もちろん公害はほっぽらかし。
・ナイジェリアの失業率は75%で、大規模内戦は起こっていないものの国の雰囲気は非常に悪い。所得格差も膨大。
・反政府武装勢力の資金源はパイプラインからの石油の盗難。ただし武装勢力も民衆の支持を得ているわけではない。

第3章 「火薬庫」となった資源国
 この章ではアフリカ大戦とも言うべき大戦争の舞台となったコンゴ民主共和国(旧ザイール)。
 一応内戦は終わったことになっていても、国の各地に武装勢力が根を張っていて、とても統一国家とは呼べる状況ではありません。
 なまじ資源国なので、地方で簡単に反政府武装勢力(そういうのもおこがましい武装勢力ばかりですが)が自活できてしまうんですよねえ。
 ルワンダ虐殺の犯人側の武装勢力とかが、未だにデカい顔してますし。

第4章 グローバリズムが支える出口なき紛争
 この章はスーダンのダルフール紛争。
 スーダンでの活動のみならず、隣国チャドに波及した戦争状況やチャドからスーダンに密入国して、反スーダン武装勢力にもインタビューしてます。

・スーダンの国民監視状況が厳しすぎ。
 正規に入国した場合、どこに行っても著者たちを監視する諜報員たちが居たそうで、その監視の目は自国民にも向けられてました。

・スーダン軍の元大佐にインタビューして、色々と残虐行為を行うことで有名な政府系民兵部隊ジャンジャウィードが何故編成されたかをスーダン政府側の立場から解説してます。
 こういうスーダン側からのジャンジャウィードについての解説記事は初めて読みましたね。

・元大佐によれば2003年のダルフール内戦勃発時に、スーダン陸軍の主力部隊は当時まだ内戦が続いていたスーダン南部に展開していて部隊を送れる状況になかった。
 そこでアラブ系遊牧民を中心に民兵部隊ジャンジャウィードを編成した。
 民兵部隊にはスーダン人だけではなく隣国のチャドや中央アフリカ国籍者も居た。

・スーダン軍は反政府勢力の勢力基盤を破壊するため、支持者らしき非アラブ系農耕民の村を襲撃するように命令。
 この襲撃をスーダン正規軍も前線で積極的に支援。
 また民兵部隊には募集時の手付け金以外に食料や給料を支給せず「自活」を命令したため、彼らは現地調達で生存せざるをえなくなり略奪や虐殺行為が堂々と蔓延。 
 
・ダルフール戦争は隣国チャドにも飛び火して大変なことになっている。

・スーダン側からでは監視が厳しすぎて反政府勢力に接触できないので、隣国チャドから密入国して反政府勢力司令官にインタビューをしているのにはスゴいです。

・反政府勢力NRFは砂漠を機動して行動しているゲリラ勢力だが、彼らが駆使しているのは衛星電話とインターネット。
 
・NRF司令官は銃と弾薬は敵から入手できるが、世界中の支持者と連絡を取る衛星携帯電話のプリベイドカードの方がずっと貴重とコメント。

・写真見るとNRFが使っているのは、全ておんぼろのトヨタランドクルーザー。
 さすが、その昔にチャドで「TOYOTA WAR」が戦われただけあります。

・スーダンの国家予算は中国の石油プラントで支えられ、国家支出の65.6%が「国防・警察・諜報」に支出されており、福祉やインフラなどへの支出は極めて少ないです。

第5章 世界の「脅威」となった無政府国家
 この章は無政府国家の代名詞となったソマリアについてです。

・ソマリア入りしたときに雇った10人の護衛兵(検問の無料通過オプション付き)のお値段が1日400ドル(約4万円)なのには思わず安いと思ってしまったり。
 日本国内の旅行だって下手したら、これ以上かかりますよ。
 もちろん貨幣価値などに多大な違いはあるのですけど。

・ソマリアで流通している通貨は「ソマリアシリング」で1991年に中央政府が崩壊してから、デザインが同じまま民間人が勝手に紙幣を印刷している。
 いわば「中央銀行の民営化」

・公的教育は崩壊し、機能してるのは保護者全額負担の学校のみ。
 その学校の校長のモットーが「平和と民主主義の担い手を作ることが大人の責務」というのは悲しいです。
 ある意味失敗国家だからこそ、その価値が判るのですね。

・一時的にイスラム法廷会議はソマリアの大部分を制圧しますが、イスラム法に基づく偏ったものとはいえ、ソマリア国民に法の保護と福祉を与えました。
 その資金源はサウジアラビアやアラブ首長国連邦から。
 ただ、その平和は短期間でしたが。

・イスラム法廷会議はアルカイダ寄りの政府なので、アメリカの後押しでエチオピア正規軍がソマリア侵攻し、イスラム法廷会議政権を倒してソマリア暫定政府を復帰させたのですが、すぐにイスラム勢力のゲリラ戦が開始。
 このとき、ソマリア暫定政府のアイディード副首相が著者のイスラム法廷会議の兵員数についての質問に答えた言葉が
「数えるのは不可能だし、無意味です。法廷会議とは、ソマリアの人々の心の中に生きているのですから、誰も数えることは出来ない」

終章 命の価値を問う

 この章では著者の体験から崩壊しまくっている南アフリカの公的医療の実状を書いてます。
 惨状以外の何者でもありませんね。
 私立病院以外、機能してません。


 しかし、アフリカには日本のマスコミは駐在員もほとんど置いてなくて責められることが多いですが、逆に人数が少ないからこそ好き放題出来るという気もしてきました。
 著者の人は人数が多ければ許されないこともいっぱいやってますし。


あなたのお役にたつ平和宇宙戦艦 [本関連]

 

平和宇宙戦艦が世界を変える

平和宇宙戦艦が世界を変える

  • 作者: 杉山 徹宗
  • 出版社/メーカー: 芙蓉書房出版
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 単行本

 この前買った「平和宇宙戦艦が世界を救う」の感想を酒飲みながら書いてみました。
 この本はあんまりにも凄すぎるので、私のレベルでは酒の力を借りなければとても書くことが出来ませんでした。

 

 

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amazon雑誌部門ランキング2位 [本関連]

 速水螺旋人さんから教えていただいたのですが、amazonの雑誌部門であくしず最新号が現時点で2位になってます(1位はNewtype)
 「軍事雑誌」がこの順位なんて、ある意味快挙。

MC ☆ あくしず 2009年 08月号 [雑誌]

MC ☆ あくしず 2009年 08月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2009/06/20
  • メディア: 雑誌


最近一番再読しているもの [本関連]

 読書メーターですが、いつのまにやら再読チェックも可能になってたのですね。
 再読分を加えると、私の場合もっと読破した本が増えるのですけど。
 ただでさえブログどころか読書メータにすら読んだ本を全部記入できていない状態なのに。

 ただ私が最近再読しまくっているのは「ハヤテのごとく!」シリーズだったりします。
 先月コミックの17巻が出てから、全巻通して最低5回は再読している筈。
 一度読んだコミックなので1冊5分程度で読めますし。色々と伏線とかが張られていて読めば読むほど新しい発見があったりしますし。

 ハヤテ熱が高まったあげく、アニメのDVDボックスも中古で42000円だったのをゲットしてしまいました。
 現在開催されているサンデーの第2回キャラクタ人気投票だって投票してしまいましたよ?
 個人的にはナギ派ですが、将来的な活躍に期待して今回はアーたんに投票してます。

 「ハヤテのごとく!」の面白さについては、いつか思い切り語りたいところではあります。 

ホライズンⅠ下読み終わりました [本関連]

 そんな訳で昨日買った

境界線上のホライゾン 1下 (1) (電撃文庫 か 5-31 GENESISシリーズ)

境界線上のホライゾン 1下 (1) (電撃文庫 か 5-31 GENESISシリーズ)

  • 作者: 川上 稔
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 文庫

を読み終わりました。

 現時点では「壮大なる序章」という感じですね。
 これからどういう展開になるにしろ、かなり長い話になりそうです。

 あと本格登場したメインヒロインのホライズンが「良い性格」なのにも、笑いかつ安心したり。
 濃いキャラばかりの本作においては、しっかりしたキャラクタでないと目立ちませんし。


平安後期~鎌倉時代の茨城の歴史 [本関連]

里の国の中世―常陸・北下総の歴史世界 (平凡社ライブラリー)

里の国の中世―常陸・北下総の歴史世界 (平凡社ライブラリー)

  • 作者: 網野 善彦
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 単行本

 図書館で借りていたのを読破。

 この本についてぶっちゃけ言ってしまうと、平安後期~鎌倉時代の茨城県の歴史解説本です。
 茨城県の武士団とかの興亡史が主ですね。

 しかし、この本を読んでると平安時代から鎌倉時代の関東武士団は平氏が主流ですが、領土を巡る内輪揉めばっかりです。
 正直読んでいて頭が痛くなってきます。
 源氏が関東に勢力を持つことが出来たのも、完全に「調停者」としてですし。
 恐らく当事者達からすると「同じ一族よりも、あまり関係の無い外から来た源氏の方が調停者としてマシ」というレベルだったと思いますが。

 あと戦国時代に勢力を振るう佐竹氏って平安時代から居る源氏系の名族なので、鎌倉時代も茨城県に勢力を張っているかと思ったら、実は平安時代末期に頼朝に攻められてから没落して、茨城県で復活しだしたのは鎌倉時代末期だったのですね。
 復活までにかなり苦労はしているようです>佐竹氏


戦争は女の顔をしていない」凄すぎ [本関連]

戦争は女の顔をしていない

戦争は女の顔をしていない

  • 作者: スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
  • 出版社/メーカー: 群像社
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: 単行本

 この前速水螺旋人さんのところで紹介されていた本をようやくゲットして読みましたが、色々と凄すぎです。
 第二次大戦時のソ連の女性兵士のインタビュー集なんですが、どれもこれも強烈なエピソードばかり。
 開戦時の志願状況とか戦場の陰惨さとか戦後に色々と差別を受けたこととか、もう沢山。

 これは大真面目にMC☆あくしずで大々的に取り上げるべき本だと思うのですが。
 この本は普通の「真面目」な軍事本や雑誌では無く、いわゆる女性などの「萌え」を正面から取り上げているMC☆あくしずでないと、きちんとした評価は出来ないと思います。
 「真面目」なミリタリー系の人には色々と悪口が言われる「萌え系軍事本」ですが、「どうしようもない事柄をスマートに説明できる」という点が一番の長所だと私は考えていますから。
 
 掲載されている幾つかエピソードを上げるとこんな感じ。

・戦争末期になるまで男物の下着しか配給されず、女物の下着が支給されたときには軍服のボタンを外して、わざと見せつけていた。

・戦争中に前線で初めて初潮を迎えた。

・海軍で小艇の長に任命された(部下は全員年下の少年兵)女性兵士は、トイレが無いのでわざと海に落ちて「大変だ!班長が海に落ちたぞ」「助けろ!」とやっている間に海の中で済ませた。

・ソ連戦車部隊配属の衛生指導員の仕事は戦闘機動する戦車の装甲板に掴まって移動し、味方の戦車が撃破されたら飛び降りて、その戦車に匍匐前進で接近して乗員救助に向かうというもの。当然女性が。
 ある戦車大隊に同郷の少女5人がその任務に配属されたが、生存者は1名。

・従軍洗濯部隊の政治将校(中尉)やってた女性が家から出てきた時、通りかかった男性大尉から、
「ここにはとっても意地の悪い政治部長代理がいるんだぞ、何やってたんだ?」
と言われて、
「私がその政治部長代理です、どうぞよろしく」
と言い返した。

等々。
 不謹慎な話ですが、ある意味この本だけで色々とネタになりますね。
 戦争物だけでは無く、他の創作物においても。
 督戦隊とか敵前逃亡者は問答無用で銃殺とか陰惨な部分も描きまくってますし。 

 彼女たちの戦後の幸せとは言い難い生き方も含めて凄く凄惨。
 日本の太平洋戦争とかとはレベルが違います。

 あとインタビューを受けた女性達が非常に「熱い」人たちばかりで、
「これじゃドイツがソ連に勝てる訳無い」
と思い切り実感できたり。
 とにかく凄い本であることは確かです。


1000年以上前から変わらない日本 [本関連]

この前ゲットした

スピリチュアルワールド見聞記

スピリチュアルワールド見聞記

  • 作者: 植木 不等式
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/06
  •  メディア: 単行本

によると、平安時代の初期の日本霊異記や古今和歌集に、既にフィギュア萌えとか二次元萌えとかしか思えない記述があるそうで。
 日本はホント昔から変わってないことがよく判りますねえ。

 しかし、この「スピリチュアルワールド見聞記」は一見、幽霊などの「スピリチュアル」な世界に否定的な突っ込みを入れる本かと思いきや、中盤ぐらいから「近代スピリチュアリズム」が産まれた歴史などの話になってくると、だんだん雰囲気が変貌していき、最終的には、

「スピリチュアルな世界の否定本でもあり肯定本でもある」

という感じの本になります。
 いや、肯定とか否定とかそういうのを超越した本とも言えるでしょう。
 ある意味「奇書」であることは間違いないです。

 本の作りは著者の植木不等式と表紙も飾っている架空の萌えキャラ「天使」の会話形式で進められていくという、ある意味「痛い」設定ですが、読み終わってみると、この本の内容を表現するためには、この形式が一番だったと思えます。
 普通の解説本の形式では、この本が書きたかった内容を表すことは難しいでしょう。
 
 個人的には非常に面白いとは思ったのですが、他人に何と言って薦めたら良いのかよく判らない本な感じを受けました>スピリチュアルワールド見聞記
 とにかく「変」な本ではあります。


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