戦争は女の顔をしていない」凄すぎ [本関連]
この前速水螺旋人さんのところで紹介されていた本をようやくゲットして読みましたが、色々と凄すぎです。
第二次大戦時のソ連の女性兵士のインタビュー集なんですが、どれもこれも強烈なエピソードばかり。
開戦時の志願状況とか戦場の陰惨さとか戦後に色々と差別を受けたこととか、もう沢山。
これは大真面目にMC☆あくしずで大々的に取り上げるべき本だと思うのですが。
この本は普通の「真面目」な軍事本や雑誌では無く、いわゆる女性などの「萌え」を正面から取り上げているMC☆あくしずでないと、きちんとした評価は出来ないと思います。
「真面目」なミリタリー系の人には色々と悪口が言われる「萌え系軍事本」ですが、「どうしようもない事柄をスマートに説明できる」という点が一番の長所だと私は考えていますから。
掲載されている幾つかエピソードを上げるとこんな感じ。
・戦争末期になるまで男物の下着しか配給されず、女物の下着が支給されたときには軍服のボタンを外して、わざと見せつけていた。
・戦争中に前線で初めて初潮を迎えた。
・海軍で小艇の長に任命された(部下は全員年下の少年兵)女性兵士は、トイレが無いのでわざと海に落ちて「大変だ!班長が海に落ちたぞ」「助けろ!」とやっている間に海の中で済ませた。
・ソ連戦車部隊配属の衛生指導員の仕事は戦闘機動する戦車の装甲板に掴まって移動し、味方の戦車が撃破されたら飛び降りて、その戦車に匍匐前進で接近して乗員救助に向かうというもの。当然女性が。
ある戦車大隊に同郷の少女5人がその任務に配属されたが、生存者は1名。
・従軍洗濯部隊の政治将校(中尉)やってた女性が家から出てきた時、通りかかった男性大尉から、
「ここにはとっても意地の悪い政治部長代理がいるんだぞ、何やってたんだ?」
と言われて、
「私がその政治部長代理です、どうぞよろしく」
と言い返した。
等々。
不謹慎な話ですが、ある意味この本だけで色々とネタになりますね。
戦争物だけでは無く、他の創作物においても。
督戦隊とか敵前逃亡者は問答無用で銃殺とか陰惨な部分も描きまくってますし。
彼女たちの戦後の幸せとは言い難い生き方も含めて凄く凄惨。
日本の太平洋戦争とかとはレベルが違います。
あとインタビューを受けた女性達が非常に「熱い」人たちばかりで、
「これじゃドイツがソ連に勝てる訳無い」
と思い切り実感できたり。
とにかく凄い本であることは確かです。
『鋼鉄の乙女たち』よりハードだなぁ マヂで
by $5 (2008-08-11 09:24)
1位に選んでいただいて、ありがとうございます。つくりながら、つらくなるようなエピソードの連続で苦しくなるときもありましたが、こうして読んでいただけると、出した甲斐があったと、胸をなでおろします。
by 群像社 (2009-06-22 23:14)