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ウオッゼ島 篭城六百日 [軍事]

ウオッゼ島籠城六百日―孤島で生き抜いた将兵たちの記録 (光人社NF文庫)

ウオッゼ島籠城六百日―孤島で生き抜いた将兵たちの記録 (光人社NF文庫)

  • 作者: 土屋 太郎
  • 出版社/メーカー: 潮書房光人社
  • 発売日: 2012/05/31
  • メディア: 文庫

 

 光人社NF文庫で復刻されたのをゲット。
 大戦中に孤立状態になって飢餓地獄に陥ったウオッゼ島で大隊長やってた人物が残した記録をその息子がまとめたもので、淡々とした短い記録の連続で、一つの記事が1~2ページ程度です。

 ただ、その1~2ページづつの記録が飢餓地獄に陥ったウオッゼ島の地獄で起こった沢山の悲惨な出来事を多数描いてます。

 「朝鮮人労働者が何人か米軍舟艇の方に逃げ出したので、逃げる後ろから撃って射殺したが3人逃した」
「飢餓に陥ると日本人は誰も信じられなくなっておのおの孤立し人間関係は壊れて雰囲気も最悪になり、数人ごとにまとまっていた朝鮮人労働者の方が生存率が高くなった」
「ちょっとした事で上官殺人事件とか逃亡とか頻発」
「一人だけ脚気が急に治ったので調べてみたら、糧食盗んで食べてた」

とか暗くなる記事ばかり。

 「行間を読む」というか「他の記事を参考にして実際には何が起こったか?」とかを考慮して読むと更に暗澹な実態がなんとなく判ってきて、

「人肉食を行った将兵を逮捕したが、どういう罪に問えばいいのか判らず、拘留してたら数日後に栄養失調死」
という記事なんか、他の
「拘留された犯罪者はろくに食料を与えられず拘留中か釈放直後に大抵死亡。重大犯人は脱走が多いためロープ等で椰子の木にがんじがらめに縛り付けられ、恨みを持つものが棍棒で殴打することもあり」
「恨みを買いまくってる犯罪者は、ヤシの木に縛り付けられている時に恨みを抱いている者たちに殴打されまくって、正式な銃殺刑の前に死亡することもあり」
なんて記述からして、「真実」はどのようなものだったかが想像できます。

 読めば読むほど暗澹になってくる本ではありますが、大戦中の孤立した飢餓の島の実態や極限状態の人間とかが良く書かれている本かと。
 しかし、著者の人は元は空母飛龍乗組の機関士官で真珠湾にも参加しているのですが、当時は「どうしてこうなった!」という気分だったでしょうね。


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