「鉄道趣味がわかる本」を読んでみて その2 [本関連]
その1の続きです。
「鉄道趣味がわかる本」は良い本ではあるんですが、個人的にアレ?と思った点を。
重箱突きのようなもんですが、ミリタリー系趣味を持つ私から鉄道趣味を見た感じとして。
・P32に鉄道趣味の素晴らしさの解説として、
「鉄道趣味はいいものである。なにしろ「鉄(テツ)」の趣味は深淵かつ高邁だ。」
という記述が合ったのですが、ミリタリー系な私としては、
「自分の趣味に「高邁」などという言葉を臆面も無く使えるなんて、なんて羨ましい!!!」
と思ってしまったり。
ミリタリー系趣味をやっていると、どんなジャンルでも人間の汚さとか極限状況での醜さとかの「人間の業」に触れざるを得ません。
更に最もろくでもない戦争というのは、「高邁な理想」を掲げた戦争ですから、「高邁」とかの「美しい」言葉は真っ先に疑わなくてはならないですし。
私感では、ミリタリー関連趣味が他のヲタク趣味と一線を画しているのは、色んな「人間の業」と向き合っていることでしょう。
知れば知るほど、創作物のホラーなどとは比べものにならない怖い実例ばかりですし。
正直、そこらへんを嫌う人が多いというのも理解できます。
ただそういう悲惨な事例ばかりだからこそ、逆に「本当の人間の素晴らしさ」とかが判ってくるときもあります。
「キノの旅」のキャッチフレーズは、
「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に美しい」
ですが、軍事系趣味やってるとこれが実感できる時が多いです。
・気のせいか記述に「上から目線」が多い感じが。
何というか軍事系ほど叩かれてないので、一般人を見下したような感じで自分の誇りをまっすぐ貫けて良いなあ、というか。
私の僻み的なものかもしれませんけど。
軍事系とかアニメ系って色々と叩かれがちな趣味ではあるので、他の趣味やってる人と話してて違和感を感じるときがあります。
・この本では鉄道を趣味として楽しんでいる立場からの記述ばかりで、実際に鉄道を運用する立場からの記述は完全無視ですね。
軍事系では「萌えよ!陸自学校」とかで描かれていたように、「マニアと本職のずれ」というのは、結構致命的なものがあり、それはどこのジャンルでも差はあれど似たようなもんという話を聞きますので。
ま、この本は「趣味の教科書」なので、問題無いと言えば無いんですが。
・この本で紹介されている鉄道趣味の広がりですが、正直軍事系趣味の方が全般的な広がりは深いような気がしました。
実際、軍事なら「軍事国家」とか言うように全ての事柄が軍事に直結することが可能ですけど、鉄道はそこまでの広がりが無いような感じがしましたので。
もちろん優劣の問題では無いですけど。
まあ、そんなこんな言っても「趣味の解説本」としては、この本は良い出来であり、非常にジャンルが細分化されていてわかりにくい軍事関連趣味に関しても、こういうジャンルを全般的に解説した本がマジで欲しいです。
そんな訳で次は「鉄道趣味がわかる本」を参考にして、軍事趣味解説本を書くならば、どういう本にするのかちょっと妄想を書いてみます。
次はその3で。
32Pの一文なのですが、コメントだけ見た時点では
「巷間での鉄ヲタのマイナスイメージへの焦りから来るプロパガンダ」あたりを想像していたのですが、私には特に他意はないように思えます。
私は少なくとも、文章をざっと見て鼻に付くところは感じませんでした。
ただ、深「淵」という部分はそういう意図での発言ではないでしょうが、
「心せよ、汝が深淵を…」という意味では確かにそうかも知れません。
私には、それよりも鉄ヲタ等の呼称の意味とその前後の「正しい」という方が鼻に付きました。
これが、単に「人様に迷惑かけるな」レベルの、本当に基本的な事を言っているならまあ納得できるのですが、私自身一般人から「マニア」と呼ばれたら自嘲の意味を込めて肯定したりする事もあるので呼称の意味は実際は人によるかと思います。
記述としては、私自身の鉄系の本に対する主観自体がかなり歪んでいる可能性がある(「感覚が麻痺して上から目線が多い文章と感じていない」)のであまりコメントできませんが、それで行くと、鉄系の本全部ダメな可能性が…。
それに、軍事系ほどでないにせよ、鉄系も負のイメージが付きまとったり叩かれたりする点は同じです。
「マニアと本職のずれ」は同じところは同じなのですが、違う点で、「本職の中でのマニア」という状況になればわずかなりと矯正しうる、という点でしょうか?
軍事趣味の広がり、という点はまさにその通りで、鉄道が敵わないのはそうなのですが、あの時言った、私の場合の鉄と軍事という2つの趣味を繋ぐ物は何か、と考えてみたら、「歴史」以外に「工業」という言葉でした。
なお、軍事に限らず鉄道趣味誌が政治がらみの事を取り上げると読者に良い顔をされない、というのは万国共通らしいです。
by NO NAME (2008-06-02 00:38)
ただ、それぞれが独立していたとしても鉄とミリタリーを両方趣味にしている人は意外といるのかも知れません。
私の高校の部活の先輩にも2~3人はいました。
by orcan (2008-06-02 00:43)