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小弓公方を支えた存在 [歴史]

 戦国時代で今の千葉県中部から南部を勢力下に置いていた小弓公方というのは、ホントに訳判らない存在です。 
 その滅亡も呆気無さ過ぎますし。 
 ただでさえ、戦国時代の関東地方は訳が分からない大混乱状態なのに、これが出てくると更に意味不明になってきます。 
 そんな小弓公方についての唯一と言ってもいいぐらいの本を最近読みました。

小弓公方足利義明―関東足利氏の正嫡争いと房総諸士 (ふるさと文庫 197)

小弓公方足利義明―関東足利氏の正嫡争いと房総諸士 (ふるさと文庫 197)

  • 作者: 千野原 靖方
  • 出版社/メーカー: 崙書房
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 新書

 歴史書としては極めて文章も読みにくく、とても人にオススメする気にはなれない本ですが、これ以外に戦国時代前期の房総半島の情勢とかが書かれた本は知りません。
 ただ、この本に書かれてた小弓公方を支えていた存在を知って、ちょっと切なくなったり。 
 初代(というかこの人だけで終わり)小弓公方の足利義明を支えていたのは、上総の真里谷武田氏と安房の里見氏ですが、義明が父親にも勘当されて陸奥を放浪していたりして彼等に推戴される前は、上総や下総の小豪族たちが支援されていたようです。 

 その小豪族たちは、鎌倉時代初期に足利氏が上総介や上総守護だった頃から、その土地の足利氏の所領を管理してきた足利家根本被官たちの一族で、更に足利氏が幕府を開いてからも、出世できずに現地の小豪族のままだった者たちです。 

 彼等は小領主であっても、足利氏に昔から仕えてきた根本被官である誇りは持っていて、室町時代になってから足利家に仕えて出世した者たちへのコンプレックスはあった筈。 
 だからこそ、いつも 

「今の関東(古河)公方はどっかに流罪にして、オレが関八州の将軍になる!!」 

とデカイこと言ってるけど、あんま統治能力高いとは言い難い流浪の足利家御曹司と会ってしまって、

「もし、彼を担げば今は不遇な俺達にも目が向いてくるかも? 
 いや、この人を担ぐことこそ足利家根本被官としての役目!!」 

みたいな感じで夢を見てしまったのかもしれません。 

 世界史上、「なんでこんな変な奴担いで反乱起こそうなんて思ったの?」という事例は沢山ありますが、担ぐ側もせめて夢を見てみたい歴史上の成り行きがあった事が多いんですよね。 
 やるせない話です。

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NO NAME

小弓公方についてはその後も斯様なやるせない話があったり…
http://www4.plala.or.jp/kaseiken/tearoom/tea.htm#020923

by NO NAME (2010-12-16 21:46) 

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