取材を作品に生かすということ [軍事]
シュヴァルツェスマーケン 4 許されざる契りのために (ファミ通文庫)
- 作者: 吉宗鋼紀
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/10/29
- メディア: 文庫
この前買って読みました。
4巻でもかなり盛り上がってて面白くて、売れ行きランキングが良いのも納得。
しかしこの巻の舞台は、ベルリン前面のゼーロウ要塞地帯。
5年前に内田さんと一緒にゼーロウ高地に行って道に迷ったこととかが思い起こされます。
ベルリン戦を描いた戦史本で、ベルリンとの物理感覚的な近さなど、ここまで地に足が着いたゼーロウ高地描写も珍しいです。
しかし5年前の取材を今になって作品に生かす事が出来た訳ですが、作家とかの取材とかはそんな事が多いです。
良くマスコミの取材を受けたのに記事に反映してもらえないとか、作家に資料を送りつけたのに作品に生かしてくれないとか怒る人がいますが、作家や文章を商
業的にまとめる場合は、字数制限とかがあって文章量を絞る方にも才能が要求されるので、怒る方もおかしいと思ってます。
司馬遼太郎は自分の作品を書く際に大量の資料を集めてた事で有名ですが、作品に全部は生かすことはとても出来なかった訳で。
そんな訳で、自分の昔の取材を正面から作品に生かすことが出来て、内田さんおめでとうございます。
自分の取材をストレートに自分の文章に生かせない事例の方が圧倒的に多いですから。
あと、この作品ではベルリン防衛の為に東ドイツ保有の戦術機のほぼ全てが集中されてますが、実際の1945ベルリン戦の時期に、ドイツの主力戦車部隊はヒ
トラーの命令でハンガリーの泥沼に投入されて消滅してる事を考えると、ベルリン防衛にドイツ主力部隊が展開しているなんて、正に夢物語。
「当時、ベルリン前面にドイツの主力戦車部隊が展開してても、あまり変わらなかったのでは?」という意見もありますけど、やはり夢として妄想してみたいネタではありますから。
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