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世界の傑作機No138 WWⅡヤコブレフ戦闘機 [購入本]

WW2ヤコヴレフ戦闘機 (世界の傑作機 NO. 138)

WW2ヤコヴレフ戦闘機 (世界の傑作機 NO. 138)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文林堂
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: ムック

 

 第二次大戦のソ連の戦闘機Yak-1/7/9/3シリーズについての本です。
 感じたことを幾つか箇条書きで。

・YAK-9及びYAK-3は1990年代にヤコブレフ設計局のお金稼ぎのために個人用飛行機として復刻生産されているのですね。
 エンジンはアリソンエンジンに変わっているとはいえ、第二次大戦型戦闘機が新品で買えるのは、このシリーズだけかと。
 FW190Dならばこんなのもあるようですが、オリジナルの設計局では無いですし

・YAKシリーズの構造は簡素というより、はっきり言って雑。
 他国の同時代の飛行機と比べて「こんなので良いの?」と思ってしまうくらい。
 ただ性能は他国のとひけを取りませんし、簡素な構造から女性や10代中頃の少年少女達が工員の大部分を占める疎開工場でも簡単に量産できました。

・計器板もシンプルで、YAK-1初期型には燃料計すら無いほど。

・部品の互換性も初期シリーズには無く、製造時には機体の側には同じ部品を何個も置き、その中からぴったり合うのを選んでいたそうです。
 もし合う部品が無くても木製なので削って合わせればOK。

・しかし、ここまで割り切って作られているのに性能も必要十分で大量生産も可能。エンジンも他国のより低馬力なのに機体性能があんまり変わらない など「名機」としか言いようが無いです。

・標準武装は機種上部プロペラ同調の7.7ミリor12.7ミリ1丁か2丁とプロペラ軸内の20ミリ1丁だけで、あんまり強くはないですが、プロペラ同軸20ミリを37ミリや45ミリに換えたバージョンもかなり生産されており、他国の故障の多い大口径機銃よりも安定できて使用できた模様です。

・YAK-7からYAK-9への進化が

「YAK-7の複座練習機型を作ってみたら、性能が良かったのでそのまま単座化されて新型戦闘機YAK-9に。さらにそれを進化させたのがYAK-3」

という謎の仕様。
 日本軍で言うと、
「零戦を練習機化した零式複座練習機が元の零戦より性能が良かったので単座化して新型戦闘機として実用化、後継機もそれがベースに」
という感じです。。

・大戦中のソ連軍戦闘機の年ごとの機種別損害とかも載っています。
 1944年のソ連軍戦闘機の損耗数は10111機で空戦損失が508機、対空火器損失が376機、地上破壊55機、事故損失2088機、損傷・ 疲労損失4452機、原因不明2632機とかいう数字も。

・このYAKシリーズは同時期の日本軍の戦闘機よりカタログスペック高いし、YAK-9初期型は日本陸軍でも使えないことはないそれなりの航続距離ありますが、個人的にはソ連軍のより性能が低くても、日本軍には史実どおりに隼とかを使わせて上げたいです。
 基本的に本土から遠く離れた戦場で戦う日本軍機は、ソ連機の雑な作りだと史実以上に不安なので。
 ソ連軍機は雑な作りでも必要充分なスペックを持っていますが、それでもやっぱり日本の戦った南方戦線とかで使うにはアレな感じが。
 戦後の全金属化したのとか、B29迎撃用に45ミリ搭載タイプは欲しいですが。


 正直日本とかドイツとかの「名機」とかの知識がある状態で、この本を読むとあまりにも荒削りな異質さを感じます。
 ソ連空軍は最終的にドイツ空軍を圧倒したので、こういうのこそが「正解」だったのでしょうけど。 


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