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今日の購入本(2009.12.10) [購入本]

火災鑑定―放火犯は自宅に火を放つ! (ナレッジエンタ読本)

火災鑑定―放火犯は自宅に火を放つ! (ナレッジエンタ読本)

  • 作者: 小林 良夫
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/12/07
  • メディア: 単行本

 私が2009年に読んだ本の中で一番面白い本だと断言します。

 著者は火災鑑定人で、保険会社の依頼で火災保険を適用すべきかどうか鑑定するのが仕事です。
 特に延焼や死者が出ない小規模火災の場合、警察や消防は建物の持ち主が失火だと証言すれば、その言い分を受け入れて深く捜査することはありません。
 しかし、火災保険を払う保険会社からの立場から見て、

「持ち主の家が過去に何度も焼けて、その都度保険金を受け取っている」
「新築の家が完成後すぐに火災」
「ボロボロの建物なのに不釣合いに高額の火災保険に加入」

などの不自然な点がある場合には火災鑑定人に依頼して本当に失火なのか調査し、不自然な場所に灯油などの燃焼加速剤の痕跡があるなど放火と判断した場合には場合には保険金の支払いを拒否します。
 この本は「失火に偽装した家主の自己放火」がどういう手口を用いるのか、火災が失火かどうか判別するための様々な科学技術、偽装失火を行った家主たちの人間模様などが書かれた本です。
 特に偽装失火を行った犯人たちの人間描写が非常に面白く、陳腐な言葉ですが、
「下手なミステリーよりも面白い」
としか言いようがありません。


 特に面白かったことを幾つか箇条書きで

・帯に「火災の半数は放火だ!」と書いている通り、火災の大部分は放火だと著者は考えています。
 明言はしてませんが、昔に失火扱いされた火災もかなりの部分は家主による失火を装った放火だと、そう書いているようなもんです。

・新築の家がいきなり焼ける場合は家主の他に共犯者がいることがあり、
「電気点検業者を抱き込んで、電源不調を証言してもらう」
「大工と共謀して最初から燃えやすい安い家を作る」
などの手口。

・偽装失火にはヤクザが関わっていることも多く、専門的な「火付け屋」も存在する模様

・よく焼けるように家に灯油をまいた場合、右利きか左利きによって撒き方パターンが違う。

・保険金目的の火災には経営不振になったパチンコ店や旅館、競売で安く競り落した住宅や工場が多い

・放火犯と疑わしき人物に何度も同じ質問すると逆上する場合は怪しい。
 反対に何回も同じ質問をしても反応を変えず同じ答えを返す場合も怪しい。脳内に暗記したシナリオを喋るのに集中しすぎて質問の不自然さを感じていない可能性がある。

・パソコン等の電化製品からの出火とされている火災の2~3割は偽装と考えている。

・知り合いに火災経験者が多い人物は怪しい。
 そもそも火災に遭遇する日本人は少なく、火災に遭った知り合いが多いということは、それだけで保険金詐欺の情報が共有されている可能性が高い。


 とにかく面白い本なので何回も再読しています。

 しかし火災保険での焼け太りで怪しい有名人と言えば羽柴誠三秀吉(Wiki)ですが、是非ともこの本の著者に羽柴誠三秀吉の火災跡を検証して欲しいですw


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