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武士の起源を解きあかす [購入物全般]

 
武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世 (ちくま新書)

武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世 (ちくま新書)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/11/10
  • メディア: Kindle版

 この本は武士の起源についての本です。
 個人的には個々の事例の解釈に「いや?それは違うんじゃないのかなあ?」と思ってしまう事も多いですが、目の付け所が上手くて「その観点があったか?」という気付きが多くて参考になって面白いです。

 序章で書かれている、この本が書かれた理由の一つとして、20年以上前に高橋昌明氏が唱えた「武士の起源は地方ではなく。朝廷の中央武官からだ」という説が全然検討されず、話が進んでいない!という著者の怒りです。
 私もそれに関しては全面的な同感だったりもしてます。

 著者が、この本で書いているのは古代の律令体制の始まりから、平将門の乱に至るまでです。
 平安時代の後半が。「平安」でも何でもない「自力救済」の世界な事は、歴史多少齧ってる人なら、お判りでしょうが、この本では「そもそも平安時代は始まった当初から平安でも何でもない」というのを、これでもか、これでもかと書いています。

 著者本人の結論に誘導するために、途中の章で語らずに、最後で語るような筆回しも多いですが、読んで大変に刺激を受ける歴史本でした。

 この本の歴史感は、他の事項にも色々と発展できそうな気もしますし。


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