軍刀は切削工具(対象は人体) [軍事]
この本は旧海軍の舞鶴海軍工廠の開闢から廃止までの関係者の証言をまとめた本です。
題名にもあるとおり、機関等を担当する造機部が主ではありますが、他の件も結構載ってたり。
切迫した艦船緊急修理の修羅場や敗戦後の後始末もかなり詳しいです。
大戦末期の末期戦描写も沢山で、昭和20年に舞鶴造機部に「軍刀の緊急生産」命令が降ってきた時、担当部員が
「軍刀は武器の一種だからスジとしては造兵部の所掌ではなかろうか」
「しかし、軍刀も一種の切削工具と考えれば、切削物は金属ではなく人体そのものだけど、切削工程には金属切削工具と共通する面がある。したがって造機部所掌でもおかしくない」
と考えて、無理やり納得してるのに「もう、ダメだ」感を受けたり。
本全体の雰囲気としては「出来の良い市町村史」と同じような感じで面白いです。
後方なので戦死とかの凄惨な描写も少ないですし。
2014-05-01 09:12
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