車のバッテリーで原発制御装置を再起動 [本関連]
この本を読んで知ったことですが、福島第一原発事故で原発の電源が喪失した際、原発内で高台にあって無事だった社員の通勤用乗用車からバッテリーを大量に外して、それを停止した原発制御装置に直列接続して制御装置を再起動。
そのまま大量の車のバッテリーの電気で炉心減圧作業を再開してたそうです。
よくぞまあ、あの混乱状態でこんな事を思いついて実行したもんです。
結局、この処置行なっても水蒸気爆発は防げなかった訳ですが、車のバッテリー使わなかったら、更に悪化していた可能性も高いわけで。
しかし福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書は大変に素晴らしい本です。
目次を見てもらえば分かる通り、福島第1原発事故について様々な方面(Twitterの動向やデマの発生、保安院の成り立ち、外国の動向など色々)から解説していて、これで書籍版1500円、電子書籍版1000円は破格の安さかと。
原発事故について知りたい人や歴史系や軍事系の人は絶対に読むべき。
かなり「事実は創作より奇なり」を地で行っているので、創作系の人にも様々な創作の元ネタが提供されるでしょう。
欠けている方面としては東京電力が編集に協力しなかったので、東京電力の立場からの大局的な情報。それと軍事治安組織関連が弱いですが、現在望みうる原発事故についての最高の資料かと。
思想的にも偏っている感じは無く、文章は出来る限り中立的であろうと務めています。
情報量が多すぎて、私もまだ全部読み切れてませんが、素晴らしい本です。
ただ書籍版はコミケカタログ並のサイズなので片手間で読める本では無いのでご注意を。
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