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ソヴィエト連邦における宇宙用原子炉の開発とその実用 [購入同人誌]

 冬コミで出た同人誌の「ソヴィエト連邦における宇宙用原子炉の開発とその実用」(るーしゃんず)を遅ればせながら読みました。 
 この本は題名から判るとおり、ソ連の軍事衛星に搭載されてた宇宙用原子炉についての本です。 

 はっきり言いましょう。この本は普通の人が読んで理解できるような代物ではありません。 
 少なくとも同じく冬コミで出た「霊烏路空の原子炉工学」で書かれている程度のかなり高度な原子炉についての知識が無いと、この同人誌が何を書いているのかすら判らないでしょう。 
 「霊烏路空の原子炉工学」についての感想では、技術説明多すぎと評価しましたが、この本については前提説明を省略しすぎです。 
 マジで私がこの本を読むのにあたり「霊烏路空の原子炉工学」を参考書物にしながら読みました。 
 どちらも冬コミで出た同人誌な筈なのですが。 

 ただ、普通の原子炉がどのようなものか知って、この同人誌を読むと、宇宙用原子炉を開発した当時のソ連にたいして「お前ら何て常識はずれなモノ作っているんじゃああ!!」と叫びたくなります。 
 いや確かにそれは理論的に可能ですが、マジでそれをするかあ!!という感じで。 
 宇宙だと地上のように放射能とかあんまり気にしなくて良いので、デザインも地上原子炉と比べて常識外れですし。 
 例えば基本的に宇宙用原子炉の形は円錐形で、それは衛星のセンサーに原子炉放射能が影響を受けるのを防ぐために衛星側だけシールドを付けているので円錐形になってます。
 つまり、それ以外は放射能遮蔽無視ということで。 

 ちなみに原子炉が積まれていたソ連の衛星は海洋偵察衛星とかの軍事衛星です。 
 ソ連がアメリカとの冷戦を戦うために絶対に必要とされていた衛星でかなり多数が打ち上げられています。 
 この衛星はレーダーによる偵察のために原子力のパワーが必要でした。

 あと、吹いたのは原子炉搭載衛星の運用終了後、その原子炉内の放射能が減衰するまで四百年間は地球に突入しないように高軌道に移動させる為の固体ブースターが衛星に付いていて、衛星運用終了後は原子炉だけをそのブースターで最後の墓場軌道に投入されていた事。 
 それでも制御失敗で地球に突入してカナダに放射性物質を撒き散らしたりしましたが(参考 コスモス954号) 

 とりあえず、この同人誌はこれまで日本では発表されていない極めて高レベルではありますが、それを誰が理解できるの?という本。 
 まあ、こういう本が成り立てるのがコミケではありますが。

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