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特高月報 [本関連]

 今日は仕事休みなので、国立国会図書館に行って「特高月報」の昭和十九年を借りて2月分とかをコピー。

 「特高月報」 は戦前の特別高等警察が内部で発行していた事件についての内部月報で、当時特高が摘発した事件について書かれており、当時の日本に実際に何が起こっていたのか?を示す貴重な資料です。

 ぱっと見るだけでも色々と面白く、昭和19年の段階では特高の仕事はこんな感じだったらしいです。

・組織として特別高等警察が出来た理由は共産主義の取締だが、「特高月報」において割かれているページ数は共産主義取締よりも右翼団体関連の方が多い。
 右翼団体監視の記述を見る限り、右翼団体はかなり困った存在だったらしい。

・カルト宗教団体取締も特高の重要な任務で、創価学会取締も色々と行っている。
 戦争に関係ない単なるキチガイなカルト宗教団体の取締記事も多い。

・戦争に伴い大量流入してきた朝鮮人労働者が事件起こしまくり。
 全ての件で逃亡者が続出して、逃亡者が起こした犯罪対処も大変。
 朝鮮人労働者の働く現場では、
「食事の盛りが何人か少なかったことが理由で暴動」
「仕事が終わった後に宴会やってたら、夜遅いと言うことで電気を消されたので暴動」
とか、本当に些細な出来事で暴動が発生している。
 朝鮮人労働者による暴動のターゲットは、朝鮮人管理者であることが多い。

・当時の日本での政治的な落書きについて、細かいところまで文面がきちんと書かれている。

・子供がいたずらで行った反政府的事例もしっかり記載。
 

 

 とりあえず、記載されていた幾つかの事件については後で記事にしようと思ってます。 


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コメント 2

$5

なんか大分前に書かれていた「独ソ戦の頃のソ連軍政治士官の実情」に通じる物がありますなぁ。

一般的なイメージでは特高警察と赤軍政治士官は
「国家から絶対的な権限を与えられ、安全な場所から国民や兵士を戦争に駆り立て、無実の人々を一方的に国家の敵と決め付けて死に追いやった人非人ども」
という血に飢えた戦争狂以外の何物でもありませんが、実際の政治士官はその様な残忍な戦場の暴君のイメージとは程遠く、しょうもない雑務に追いまくられ上と下の板挟みに苛まれ時には自分自身が粛清の対象になったりする・・
という結構哀れで人間臭い存在だったというアレですが。
by $5 (2010-07-29 11:38) 

ka-ka_xyz

特高月報といえば、「流言・投書の太平洋戦争」
http://www.amazon.co.jp/dp/4061596888

の中で、造船所工員の欠勤率として
「即ち最近三菱神戸造船所に於いては30%、川崎艦艇工場に於いては63%の欠勤率を示す状況」(「特高月報」昭和17年11月分)

という数値が挙げられていて驚愕しました。
他にもいろいろと興味深いネタが取り上げられていてお勧めです。
by ka-ka_xyz (2010-08-19 02:20) 

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