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全力全開でオススメしたい小説に出会った [本関連]

 各所で有名な 

魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る! 

を遅ればせながら読み終わりました(話そのものは目次から) 
 これは凄すぎる作品です、面白い! 
 全力全開でお奨めしたい小説に久々に出会いました。 
  
 とりあえず、 

・架空戦記とかの歴史改変ネタ好きな人 
・歴史が小さな物事の導入でバタフライ的に動いてきたことに興奮する人 
・ファンタジー世界で勇者が魔王を倒すだけでは何も変わらないと不安を覚える 

というような方々には読めよ、何が何でも読めよ!、絶対に読めよ!、絶対来いよ! 読まなかったらこっちから訪ねて行くからな! という感じで問答無用に薦めたい気分。 
 マジで損はさせません。 

 一応ジャンルとしてはファンタジー系ライトノベルで、主人公格の勇者が色んな美人に好かれてウハウハする話と説明してもストーリーは一応間違っていません。 
 ただメインストーリーとしては、中世的なファンタジー世界に馬鈴薯とかの小さな新技術がもたらされることにより、バタフライ的に世界が中世から近世へ変わっていくお話です。 
 最初は勇者と魔王2人の小さな動きに過ぎなかったものが、彼らに影響を受けた多数の登場人物が多大な成長を遂げて大きなことを成し遂げていき、そしてその動きに魔王と勇者も影響を受けて成長していくのは感動。 
 読んでいて泣けます。 
  
 キャラ成長が一番個人的に泣けたのは「メイド姉」 
 ただの無学な農奴の娘にすぎなかった彼女は、魔王と勇者に出会ってしまったが故に人生を大きく変えられ成長し、終盤では自分が○○だと勝手に自称してその使命を実行します。   
 ストーリー前半でメイド姉が異端審問を受けた際に吐いたセリフも泣けますが、更にそこからの成長が予想外すぎ。 
 彼女のやることなすことが全く予想が付かず、終盤ではメイド姉が出てくるだけでストーリーが引き締まった感が。 
 他に気に入っているキャラは「王弟元帥」。
 普通の話なら悪役側になるキャラなんでしょうが非常に格好いいですし、最後の最後で何故ストーリ上こういう役職にしたか判った時は感動。

 地球の歴史では数百年試行錯誤して行われた中世から近世への移り変わりが、作中のファンタジー世界では数年で起こってしまうため、多少ご都合主義的な展開はありますが、その分スピード感溢れています。 
 話のメインテーマは中世的な変わらない世界を変えたいという『丘の向こう側を見たい』を最初から最後まで押し通していてお見事。 
    
 登場人物たちは「勇者」「魔王」「メイド長」「女騎士」とかの役名だけで呼ばれ、状況説明文なしに彼らの会話だけで話が進んでいく独特の文章形式なので最初は戸惑うかもしれませんが、読み始めてしまえば一気にハマリます。 
 文章量的にもかなり多いですが、読んでいる最中はそれを感じさせません。 
 話はどんどん大規模になっていきますが、ちゃんと最後で大風呂敷を綺麗に畳んだのも素晴らしいです。 

 ここに来られるような方々には、架空戦記隙の人や歴史をシステム面から見るのが好きな人が多いので、そういう方々には無条件にお薦めしたいところ。 
 というか言葉は飾らん。読め。 

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NO NAME

> 魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!
お勧めでしたので、ちょこっと読みましたが、なんか、
どっか行っちゃった豪屋大介風かと思いました。
by NO NAME (2010-05-05 08:47) 

$5

>地球の歴史では数百年試行錯誤して行われた中世から近世への移り変わりが、作中のファンタジー世界では数年で起こってしまうため、多少ご都合主義的な展開はありますが

それは既にダンバインで通った道・・ というかあの世界では主人公が何ヶ月か留守にしている間にマクロス並の超巨大空中戦艦をそれぞれの国で完成させているのだから、産業革命ブーストどころの騒ぎじゃありませんでした(苦笑
by $5 (2010-05-05 21:44) 

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